Logistics:兵站 | 災害の芽を摘む – saigai.me

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 『兵站』(へいたん)やLogistics(ロジスティクス)とは『後方支援』です。
 戦闘では兵器を使って威力を発揮する前線に弾薬や食糧などを送る必要があり、それらの物資や供給する仕事が兵站です。

 COVID-19の流行拡大初期の2020年春はマスクや消毒液が不足しました。医療機関では医療従事者が臨床に立てない可能性が現実になりそうな危機的状況でした。兵站の重要性が認識され経済産業省が支援に回りました。

 兵站は物資に限ったものではありません。後方支援に分類されるものすべてが兵站ですのでヒトやカネ、情報なども含まれます。




目次

Logistics(兵站)
GOA
  ├ 目標設定
  ├ 他人を守る
  └ 良心と秩序
ソフトとハード
ソフトウェア(コト・手段)
  ├ 逃げる
  ├ 食べる
  ├ 出す
  └ 伝える
    └ 多用途安否確認システム
ハードウェア(モノ・物品)
  ├ 一人一個
  ├ 生活
  ├ 情報
  ├ 運搬
  └ 災害対策本部
持出品




GOA: Goal-oriented action

 GOAとは目標志向の行動、災害時に目標を定めて行動することです。

 秩序を乱さない中で『手段を選ばず』『なりふり構わず』行動し目標を達成します。


目標設定

 GOAで重要なのが目標設定です。発災下で何を優先し、何を達成させるのか目標を定めます。

 被災時の最小単位である個人であっても、家族や組織といった単位であっても目標設定は重要です。

 発災当初は身を守る、次のフェーズでは食糧やトイレの確保、雨風をしのぐ方法、そして復旧・復興へと目標はシフトします。


難題は『他人を守る』

 目標設定の中で達成が難しいのが、ヒトを守ることです。

 自分を守るだけであれば無理や手抜きをする加減も調整しやすいですが、他人を守る場合は難しい課題です。

 医療や介護の現場では、災害に対して素人でありながらこの目標を掲げざるを得ません。


良心と秩序

 GOAを実践する際に並走するのが『良心』と『秩序』です。これを失うと災害現場は無法地帯になってしまいます。

 窃盗や破壊行為は許容されにくいですが、津波が迫る中でトラックの荷台に人を乗せる行為については違反切符を貰う事になったとしても人命は救い得ます。

 ボーダーラインは不明瞭ですが、社会の混乱を来たす行為でなければ、ある程度は許容されるのではないかと考えます。




ソフトとハードの両輪

 消火器やAEDは、存在するだけでは効果が発揮されません。

 消火器やAEDの使い方だけ知っていても、モノが無ければ効果を得られません。

 コトとモノ、両方揃ってこその非常時対応は多くあります。


防災用具

 防災用具の多くが特化した製品です。消火栓や避難ハシゴなど存在は知っていても使い方を知らないという人は多いと思います。




ソフトウェア(コト・手段)

逃げる

 避難訓練を経験済の人は多く居ると思いますが、在学・在勤先の建物に限ったことだと思います。

 火災と津波では逃げ方が異なります。

 避難所への自家用車の乗り入れを禁止する自治体もありますが超高齢社会の中で、人命を落とさない方法として適正であるか再考する時期を迎えていると考えられます。

 医療機関のように火災であっても容易に避難できない場所では『逃げない』という選択肢を取った場合の被害を最小化するための手段が問われます。


食べる

 人間が生きて行くために必要なコトの1つです。

 食べ物を手に入れる手段は多種多様、サバイバル生活となれば都会より自然豊かな場所の方が有利かもしれません。

 多くの災害で3日以内にプッシュ型の救援物資が届いており、避難所には備蓄食もあるので、それらが貰える場所を知り、貰いに行く手段があれば飢えはしのげると考えられます。


出す

 人間が生きて行くために排泄は不可避な生理現象です。

 公衆トイレは嫌だ、和式は嫌だと言っていられない状況が迫るかもしれませんので、本当に嫌なら備蓄を検討します。

 津波が引いた後のように、トイレすら無い状況ではどのようにして排泄するか、これも要検討課題です。


伝える

 助けを求める、近所に危険を知らせる、危機が迫るときにどのようにして情報を伝達するか、簡単な事ではありません。

 家族に生存を知らせる方法についてもデジタル化の冗長性と脆弱性を考えた上で手段を選ばなければなりません。


安否確認システム

 伝達手段の1つに安否確認システムがあります。

 私たちは独自に安否確認システムの開発を行っています。ITベンダーではなくBCPコンサルが独自に開発する安否確認システムは稀です。

多用途安否確認システム AmpiTa


 当サイトの『情報』のページもご参照ください。




ハードウェア(モノ・物品)

一人一個

 災害時に1個ずつ持ち合わせたいアイテムがいくつかあります。特に職場では人数分揃えるという事が少ない、保管場所と社員の居場所が離れているなど顕在的な課題もあります。


生活

 人が生活を営む上で必要な物、特に自宅避難や帰宅難民として会社に寝泊まりする人には公助が無く、必要なアイテムが多くなります。


情報

 情報源としてラジオやテレビが使われますが、スマホアプリは機能しない可能性があります。

 ラジオや衛星放送など多様な情報収集手段を確立しておくと良いです。


運搬

 短期的なロジスティクスを考えるとローカルで何事も自立できなければ、救援を待っている間に衛生状態が悪化するなど人体や環境に悪影響を及ぼします。

 リアカーはあまり見かけません。自主防災組織や企業など、ある程度の人数が属する組織であれば備蓄しておく価値があるアイテムです。


災害対策本部

 災害対策本部にはホワイトボードやパソコンなどの情報管理系の物品、拡声器などの小道具などが必要になります。

 自主防災組織や避難所であれば地域の住宅地図や助けが必要な人の名簿なども備えておく必要があります。




持出品

 避難時に持ち出す物品は、避難生活で必要になるもの、避難中に盗難に遭うと困る物、二度と戻れなくなったときに替えがきかない物の3つに分ける事ができます。




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